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相続のしくみ

〜 相続の承認 〜 単純承認と限定承認

相続の承認には、すべての財産を相続する単純承認
プラスの相続財産の範囲内でのみ被相続人の債務(借金)を負担するという相続の限定承認があります。
(民法920条、922条)

単純承認 被相続人の財産と債務を無条件、無制限に承認するものです。
一般に相続するといわれているのは単純承認のことです。
特に手続きは必要なく、何らかの形で相続人による単純承認の意思が表示できればよいとされています。

簡単に言えば、何もしない=単純承認 ということですね。
 
  単純相続すると、債務も引き継ぐことになります。
被相続人の債権者は相続人の固有財産に対しても強制執行ができ、相続人の債権者は相続財産に対しても強制執行できることになります。
民法では、相続人が単純承認の意思表示をしなくても、下記の事由がある場合には単純承認したものとみなされます。 これを法定単純承認といいます。(民法921条)
 
法廷単純承認 相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき。(ただし保存行為及び602条に定める短期の賃貸行為は除く。)
 
  3ヶ月間の熟慮期間に相続放棄または限定承認をしなかった場合。

相続財産の中にたくさんの借金があるにもかかわらず何もしなかった場合は承認したものとみなされ、相続人は借金を払い続けなければならなくなります。
これって、はっきり言って悲惨です。人生が狂ってしまうかもしれません。
借金だらけの親の財産を相続したら、即放棄!

 
  相続人が相続放棄、限定承認をした後でも、相続財産の全部または一部を隠したり、債権者にかくれて消費したり、限定承認をした場合に悪意でこれを隠すつもりで財産目録中に記載しなかったとき。
(ただし、その相続人が相続放棄したことによって相続人となった者が了承した後は、この限りではありません。)
 
 
限定承認 相続財産の範囲内で被相続人の債務及び遺贈について責任を負うという条件付きで行なう相続の承認です。
  プラスの財産が多いかマイナスの財産(債務)が多いかよくわからないとき限定承認にすれば安全です。
限定承認は、相続人全員が一致して承認しなければなりません。
1人でも単純承認する人がいれば限定承認はできません。(民法923条)
相続放棄した人がいるときは、その人を除く全員が合意すれば限定承認できます。
  手続きは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に財産目録を作り、限定承認する旨を家庭裁判所に申述し、受理されて5日以内に債権者や受遺者に相続の限定承認をしたことを公告しなければなりません。
限定承認すると、家庭裁判所によって相続財産管理人が選任されます。

限定承認は上記のように複雑な手続きが必要です。

実際にはあまり利用されておりません。

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〜 相続の放棄〜

相続放棄は自己のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所にその旨を申し出なければなりません。(民法938条)

ただし3ヶ月の期間だけでは相続財産の調査ができず、相続を放棄するか、承認するかの判断ができない相当の事情がある場合は、利害関係人または検察官の請求により家庭裁判所はこの期間を伸長することができます
相続放棄は相続人それぞれの自由ですので、
長男は相続放棄、次男は相続の承認ということも
OKです。どうぞ、ご勝手にの精神です。

 
子どもが相続放棄したら、その財産は孫のものになるでしょうか?
正解は、なりません。
相続放棄は代襲相続の原因ではありませんので、被相続人の子が相続放棄しても、孫が相続人になることはできないのです。・・・図1

何人かいる相続人の1人が相続放棄すると、他の相続人の相続分はその分だけ増えることになります。
相続人が姉妹3人の場合、3人のうちの1人が相続放棄すると、残りの2人で相続財産を山分け?できることになります。
 
相続放棄によって、相続の順位が変更になることもあります。
例えば、子どもが全員相続放棄すると、子どもの代わりに祖父母が相続人になります。
祖父母が既に死亡していたときは、兄弟姉妹が相続することになります。・・・図2
 
未成年者が相続放棄をする場合
  夫が死亡して、妻と子どもが相続人の場合、妻が子どもの代理人として相続放棄してしまうと、
子どもの財産を妻がもらうことになり、結果として子どもが不利益を被ってしまいます。

そこで、このような場合には、妻は家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければなりません。

お金が原因で親子がもめることを防止するためですね。
お金は大事なものですが、時には、人を狂わせてしまいますよね。
 
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〜 失踪宣告制度〜被相続人の生死が不明な場合

ある人の行方がわからなくなるなど生死不明の状態が続くと、関係者にとっていろいろ困る問題がでてきます。
そこで民法では、失踪宣告制度(民法30条)が設けられています。
失踪宣告とは、生死不明の者を民法上で死亡した者として取り扱う制度です。
(ただし本人がどこかで生存している場合は、本人の権利能力が失われることはありません。)
失踪宣告は家庭裁判所がする審判で、配偶者・親・子、その他利害関係人の請求によって行なわれます。

失踪宣告には普通失踪特別失踪(危難失踪)があります。
普通失踪 不在者の生死が7年間明らかでないときは、失踪宣告の請求ができます。その後、6ヶ月間の公示期間を経て失踪宣告が行なわれると不在者は7年の失踪期間が満了したときに死亡したものとみなされます。(民法31条)

特別失踪 船舶や飛行機事故、戦争など死亡した可能性が特に強い事由によって1年以上生死不明になっている場合は、危難の去った時点で死亡したものとみなされます。(民法30条2項)



失踪宣告を受けた後に、失踪者が生存していたこと、または異なった時期に死亡していたことが判明したときは、本人または利害関係人が家庭裁判所にその取り消しを求めることができます。(民法32条)
失踪宣告によって財産を得た者は失踪宣告の取り消しによってその権利を失いますが、現に利益を受けている限度で財産を返還すればよいことになっています。 
 
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〜 同時死亡の推定〜

夫婦2人が船舶や飛行機事故で死亡した場合など、どちらが先に死亡したかわからないときがあります。
このような場合、2人は同時に死亡したものと推定され、両者の間には相続は生じません。(民法32条の2)

 
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