裁判員裁判に参加した60代の女性が、審理で見せられた殺害現場の写真などが原因で急性スト
レス障害になったとして、国に慰謝料を求める国家賠償請求訴訟を起こしました。
この事件は、強盗殺人罪などに問われた男に死刑判決を言い渡したものですが、女性は6日間
の審理すべてに参加。殺害現場のカラー写真を見た初日には、休廷中に嘔吐し、帰宅後、就寝
中に何度も現場写真がフラッシュバックする症状がでたということです。その後、病院で急性ストレ
ス障害と診断されました。写真以外でも、被害者が助けを求める119番の音声も流れたそうです。
判決を左右する証拠をすべて出すことは、公平な審理をするうえで必要なことです。その一方で、
今回のように裁判員に過度な負担を与えることになると、裁判員自身の人生に大きな影響を与え
ることになります。判決によっては、今後の裁判員制度のあり方にも影響を与える可能性があると
思います。