先日、行政書士会の研修で弁護士の相馬達雄先生のお話を聞く機会がありました。
相馬先生と言えば、新聞、テレビ、ラジオなどでも大活躍されている方です。弁護士歴50年以
上、「79歳です」とご自身でおっしゃっておられました。
今の世相を法律にからめて、とてもわかりやすくお話してくださいました。
●まずは、親子関係。
成人に達した子と親の間には、一体の生活関係はないというのが裁判所の判断で、親から子供に
同居を求めることはできないそうです。また、子どもが自分の生活で目いっぱいのときは、親は養う
ことを請求できないということです。民法877条には、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養す
る義務がる」と規定されていますが、扶養の考え方が、ずいぶん変わってきているということなんで
しょうね。
兄弟は、外国では他人扱いで、日本でも今は、ほぼ他人という扱いになっているそうです。
●次に、高齢社会について。
夫婦は助け合って生きていかなければならないが、現実問題、85歳の夫と80歳の妻では、お互
いに自分のことだけで精いっぱいで助け合うことができない。実際に、夫婦でも夫だけが老人ホー
ムに行き、妻は自宅で生活するケースや、別々の老人ホームに行くケースが出てきているそうで
す。「歳をとると一人だ」という考え方になっていくだろうし、いずれ「年寄りが漂流していく時代」
になっていくでしょうとおっしゃっておられました。老老介護には限界があることを思えば、まさに
的を得た言葉だと思います。
●お葬式・お墓について
知り合いの方が亡くなり、お墓詣りに行こうと思ったら、その方の奥様から「拝むのはこのペンダント
にしてください」と言われたそうです。骨の一部でペンダントを作り、後の骨は、散骨業者に依頼し
て散骨したので、お墓はないのだそうです。
最近は、お葬式の予約や永代供養墓をお寺と契約する人も増えてきているようで、今後はますま
す、お墓や法事などの考え方も変わってくることでしょうと言われていました。
自分の死後のことについては、頭がしっかりしているうちに考えておかれたらよいと思います。
すずき行政書士事務所では、オリジナルのスマイリング・エンディングノート(Smiling Ending
Note®)をご用意しております。是非、ご活用ください。
下記、相馬先生の書籍です。
1つの項目が2~3ページで簡潔にまとめられているので、とても読みやすいです。
弁護士事務所の様子や扱っている事案について、よくわかる内容です。
弁護士を志す人には特にお勧め。
●離婚
離婚の財産分与においては、妻の分与割合はほとんどが2分の1になっている。夫が亡くなった場
合、妻の相続割合は2ぶんの1なので、その分は離婚した時にもあげましょうというのが裁判所の考
え方ということです。
離婚をするには、とにかく作戦が必要。1年くらい前から、夫の財産がどこにあるのかを郵便などか
ら調べておくようにすることが大事で、例えば、固定資産税の支払い用紙がくれば、どこに不動産
があるのかがわかるし、預貯金・株式などについても、銀行などから通知が来るので、そのコピー
はとっておくことが大事ということです。この辺りは、とても参考になりますね。