離婚条件について話し合っても解決できないときは、調停を申立てます。
調停を申し立てる家庭裁判所は、相手の住所地を管轄する家庭裁判所になります。
妻と夫の住所地が離れている場合は、妻から調停を申し立てると、調停に行くための交通費などが
かかってしまい不利になるケースもあります。このような場合は、なるべく相手から調停を申し立て
てもらうようにするとよいでしょう。
妻が幼い子どもを養育している場合などは、裁判所に事情を申し出れば、調停場所を妻の住所地を
管轄する家庭裁判所にしてもらえることもあります。
家庭裁判所に離婚調停を申し立てる際、「申立書」を記入します。この申立書のコピーは夫に送付さ
れます。夫側からすると、妻の申立てに対して作戦をたてる時間が持てることになります。
申立て後、第一回の調停が開かれるまでに1か月くらいかかります。調停は、調停委員2名が夫、妻
から、それぞれ別々で事情を聞きます。男女ペアになっています。
調停はあくまで公の機関ですので、二人そろってどちらかの味方をしてくれるということはありませ
ん。一方が妻側に理解を示して、もう一方が夫側に理解を示すという感じです。
例えば、妻が長年夫の不倫に苦しめられていたけど、子どものために我慢して夫婦生活を送ってい
たという状態でも、夫が100%悪いというふうにはみてもらえません。夫の不倫を長らく容認していた
妻にも責任があるのではということを言われたりします。調停委員には、できるだけ自分の主張を認
めてもらえるように、資料などを用意して冷静に丁寧に説明するようにされたらよいと思います。
実際に調停をされた方からお話をお伺いすると、調停委員によってかなり意見のばらつきがあるよう
です。途中で調停委員がやむを得ない事情で変更になった方がいらしたのですが、最初の調停委
員(男性)は、妻に好意的な意見であったにもかかわらず、変更後の調停委員は、妻に否定的な意
見の人で、人によってこんなに違うんだということを実感されたそうです。(通常、調停委員が途中で
変更になることは余ほどの事情がない限りありえません)
調停を申し立てる時点で、自分がどこまで条件的に譲歩できるのかを考えておいてください。調停
は、あくまでも第三者を入れての話し合いです。話し合いである以上、どちらかの意見が100%通る
ことはありません。どちらも譲歩する必要があります。通常は、おとしどころよりも高めの条件を提示し
て、そこから話し合いで条件を下げていくということになります。
調停で話し合いがつくと、その内容を「調停調書」にしてもらえます。この調停調書があれば、万一、
養育費が支払われないような場合でも強制執行をかけることができます。
調停調書の内容はしっかり確認してください。自分が思っていた内容と調停調書の内容が異なって
いるという相談を受けたことがありますのでご注意ください。