美しい花や緑を見ると、心が癒されますね。この気持ちを認知症ケアに取り入れる動きが広がって
きています。
例えば、日比谷花壇が老人施設を提携して行っている「フラワーアクティビティプログラム」。
フラワーファシリテーターと呼ばれる専門家が、お年寄りの関心や記憶に働きかける花材を選ん
で指導しています。私たちの記憶の中には、いろいろな花が登場します。桜を見て家族で行った
お花見を思い出すケースもあるでしょうし、ばらを見て、誕生日にプレゼントされたことを思い出す
ケースもあるでしょう。思い出の花を見ることで、そのときの記憶がよみがえり、様々な感情を呼び
覚ますことができるのでしょうね。
植物に触れたり、育てたりすることでストレスを軽減し、心身の機能を回復させる園芸療法も認知
症予防やケアに活用されています。高齢者に限らず、土いじりをすると元気になったという話はよ
く聞きます。私自身も土を触ると、生温かい感覚が、からだに優しい刺激を与えてくれるような気が
します。自然と触れ合うことで、人間本来の姿を取り戻すことができるということなのでしょう。気軽
に始められるのもいいですね。