遺言 会話式Q&A ②子どもに知られずに遺言書を作成したいのですが。

 一郎さん 「私は、先祖から引き継いだ財産を含め、3億円以上の財産を持っています。ただ、子どもたちは、私の財産をあてにしていて、遺言書を書くと言うと、兄弟でひと悶着ありそうです。子どもたちに知られずに、遺言書を書くことはできますか?」

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すずきさん 「子どもたちが揉めるのはみたくないですからね。お気持ち、お察しいたします。なかには、遺言書を書いたことを、家族には絶対知らせたくないので、行政書士からの連絡はわからないようにしてほしいと言われる方もいらっしゃいますよ。遺言書を書いたことが原因で、あれこれ言われるのが嫌なんだそうです。」

一郎さん 「やはりそうですか。」

すずきさん 「次のような例もありました。自宅不動産や預貯金を長男に相続させるという遺言書を書かれた方がいらっしゃいました。その内容を聞いた長男は、それ以降、遺言者をぞんざいに扱い、怒った遺言者が後日、長男には内緒で、遺言書を書きかえられました。長男は、遺言書で財産をもらえることが確実になったので、遺言者を大事にしなくなったのでしょうね。」

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一郎さん 「そんなこともあるんですね。参考になりました。」

すずきさん 「すみません、話がそれましたね。自筆で書く遺言を自筆証書遺言といいます。これだと、だれにも知られずに遺言書を書くことができますが、法律で決められた方式を満たさないと、無効になってしまう可能性があり、お勧めはしません。やはり、公正証書遺言がよいと思います。公正証書遺言は、公証役場に行って作ります。公証人という元裁判官や元検事が作るので、法律的な問題が起こることはほとんどありません。また、原本は、公証役場で保管されるので、偽造変造の恐れもありません。デメリットは、証人が二人必要だということです。そういう意味では、だれにも知られずに作成することはできないということになりますが、行政書士などの専門家や公証役場で用意してくれる証人ですと信頼できると思いますよ。」

一郎さん 「なるほど、そうですか。子どもたちに知られなければ、それもいいかもしれませんね。」

すずきさん 「そうですね。もう1つデメリットがあるのですが、公正証書を作成するには、費用がかかります。財産額と相続人の人数によって計算されます。」

公証役場・公正証書作成手数料

目的財産の価額

手数料の額

100万円まで

5,000円

200万円まで

7,000円

500万円まで

11,000円

1,000万円まで

17,000円

3,000万円まで

23,000円

5,000万円まで

29,000円

1億円まで

43,000円

1. 1億円を超える部分については
  1億円を超え3億円まで  5,000万円毎に 1万3,000円
  3億円を超え10億円まで 5,000万円毎に 1万1,000円
  10億円を超える部分   5,000万円毎に 8,000円 がそれぞれ加算されます。 

2. 上記の基準を前提に,具体的に手数料を算出するには,下記の点に留意が必要です。

財産の相続又は遺贈を受ける人ごとにその財産の価額を算出し,これを上記基準表に当てはめて,その価額に対応する手数料額を求め,これらの手数料額を合算して,当該遺言書全体の手数料を算出します。

②遺言加算といって,全体の財産が1億円未満のときは,上記①によって算出された手数料額に,1万1000円が加算されます。

一郎さん 「費用がかかるのは仕方ありませんね。元裁判官や元検事さんが作成してくれるのですから、安心できます。」

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すずきさん 「おっしゃる通りです。大事な財産を安全確実にお子さんに引き継ぐコストですからね。」

一郎さん 「なんだかほっとしました。私の面倒をよくみてくれる子どもには、多くの財産をあげて、そうでない子は、※遺留分だけにしようと思います。」

すずきさん 「そうですか。子どもは親の思い通りにはいきませんね。」

※遺留分 相続人が最低限相続できる相続分。相続人が子どもだけの場合、通常もらえる相続分の半分が遺留分になる。兄弟二人が相続人の場合、遺留分は、遺産の4分の1になる。

一郎さん 「財産のことで、いろいろ相談にのってほしいことがあるのですが。」

すずきさん 「もちろん、承ります。公正証書遺言のご依頼の場合は、報酬をいただくことになりますが。」

一郎さん 「けっこうです。いろいろ相談に乗っていただきたいことがありますので、よろしくお願いします。」

すずきさん 「行政書士に公正証書遺言の作成をご依頼いただいた場合、公証役場との打ち合わせは、すべて私のほうで行います。作成日に、公証役場に一度行っていただくだけで大丈夫です。また、将来、遺言書の書き直しなどがあった場合にも、事情がわかっているので、スムーズに進むと思います。年齢とともに、自分で何かを行うのが億劫になってきますよね。行政書士が、手足となって動きますので、ご安心くださいね。」

一郎さん 「それは有難いです。財産をまとめて、あらためてこちらから、連絡させていただきます。」

すずきさん 「はい、お待ちしております。」

POINT 子どもに知られずに遺言書を書きたい場合、自筆証書遺言があるが、無効になる可能性もあり、お勧めはしない。公正証書遺言は、証人二人必要だが、子どもに知られずに遺言書を作成できる!!


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