親が認知症になった場合、自分で日常生活に必要な契約などができなくなってしまいます。
例えば、入院費用を払っていないのに、「払った」と言ったり、銀行に預金を預けたのに、子ども
に「お金をとった」と言ったり、取引の相手に迷惑をかけたり、本人が損失を被ることになります。
このような場合、家庭裁判所に法定後見の申し立てをすることになります。
家庭裁判所は、判断能力の低下の状況によって、後見、保佐、補助の3つの類型にあてはめ、本
人に適切な類型を決定し、それぞれ後見人、保佐人、補助人を選任します。
判断能力が低い順から、後見、保佐、補助になります。
一番多いのは、後見人が選任されるケースです。
親族が後見人に任命されたケースでは、親族による財産の使い込み事件が数多く起こりました。
これらを防ぐため、家庭裁判所は2012年2月に後見支援信託制度を導入しました。
後見支援信託制度は、本人の財産のうち、日常の生活費を除く現預金を信託銀行に預け、引き
出しや解約には家裁の許可がいるというものです。主に現預金が1000万円以上ある人が対象で
す。今までは新たに後見人をつける人だけが対象でしたが、2013年7月からは既に後見人がつ
いている人も利用できるようになります。
後見人が付いた人は、2012年末で13万6000人で、2030年には24万人を超えると予想され
ています。受任できる専門家の数も限られるため、市民後見人の養成なども行われています。
後見人を監督するのは家庭裁判所ですが、こちらも対応できる能力には限りがあります。
今後は、家裁の管理下で後見人を監督する機関が必要になってくるでしょう。
すごいスピードで高齢化は進んでいます。認知症になった人の対応も大事ですが、認知症になら
ないための予防にも力を入れる必要があるのではと思います。悩ましい問題ですね。
る一定の財産のある人には、専門家が後見人に任命されるケースが増えています。
後見人がつくと、