長男の嫁が介護をした場合、請求できる特別寄与料

前回の記事では、相続人の一人が故人の介護を長年行ってきた場合、他の相続人に対して、本来もらえる相続財産に加え、寄与分を上乗せしてもらえるケースがあると書きました。

この場合の寄与分の請求は相続人に限られているのですが、民法が改正され、2019年7月以降の相続については、相続人以外の親族が故人を長年介護したという場合にも、寄与分が認められるようになったのです。これを「特別の寄与料」といいます。

 

特別寄与料請求の要件

相続人以外の親族とは、6親等以内の血族または3親等以内の姻族です。

前回の記事と考え方は同じですが、特別の寄与料が認められるのは、長男の嫁が自宅で介護を行い、介護保険などもほとんど利用せず、その分の費用が節約できたというような場合です。

施設に入所していた場合は、認められません。

請求相手と期間

特別の寄与料の請求は、相続人に対して行います。相続人がすんなり認めてくれればよいですが、そうでない場合は、家庭裁判所に調停の申立を行い、そこで話し合うことになります。

特別寄与料を請求できる期間は、「相続の開始および相続人を知ったときから6カ月以内」または「相続開始から1年以内」です。
一般的には、相続人間で遺産分割協議が始まった時点で相続人に請求することになります。

長男の嫁が寄与料を請求しなくてもよいように対策が必要

現実問題、長男の嫁が寄与料を請求するのは難しいケースが多いと思います。

長男の嫁は、親族といってもあかの他人です。相当な労力を提供したにもかかわらず、1円ももらえないというような理不尽なことにならないように、お世話をしてもらう側は、生前贈与、あるいは遺言書を作成し、その中でいくらかでも遺贈するというような対策をあらかじめ取っておくべきだと思います。

他人の大切な時間を奪ってしまうのなら、そういう意識を持つことが必要なのではないでしょうか。